雑説1-ugiからagakへ

「ふん、君はこの国でも市民になる資格を持つてゐる。……時に君は社会主義者かね?」
 僕は勿論 qua(これは河童の使ふ言葉では「然り」と云ふ意味を現すのです。)と答へました。

芥川龍之介 「河童」より

 

 こんにちは!初投稿ということで、自己紹介をしたいと思います。

といっても、簡単に私のことをうまく表現できる気もしないので、木々の青が深まるこの季節、はじめて自慰行為をした時の話をしようかしら。

 

私は当時、ロックマンエグゼというゲームにはまっていました。3です。分かるかなあ。エリアスチール(*)とフォルダリターン(*)、そしてプラントマン(P)。これでたいていの相手を征服できる。そんな年頃だったの。
ママが厳しくてね。ゲームをさせてくれないの。だから私はいつも部屋に隠れてこっそりやってたの。別にママに対していつもおどおどしてたわけじゃないのよ。俊足なランナーが一塁に出た時の野茂英雄のような、ある程度の窮屈さがあっただけよ。

その日も3時間くらいゲームをやってたの。それでちょっと飽きちゃって、ねね、分かるかな。ゲームをした後のもやもやした感じ。私はその時とってもエッチな気持ちになってることが多いの。
その時もね、私のがね、ほら、言わなくても分かるでしょ。そう、立派なテントをね。ところでマレーシアのプナン族では、成人男性と幼児では勃起を意味する単語が異なるの。〈大人の勃起〉アガック(agak)と、〈子どもの勃起〉ウギ(ugi)。素敵でしょ。男の子は犬の交尾を見て性交のまねごとをしようと考えるらしいの。
私は特に何も考えずにそれを握って、右手を動かし始めたの。しゅっ、しゅっ。別に気持ちいいとかそういうのは無かったの。むずむずする。そんな感じ。それでもね、あるポイントで、あれ、おかしいな。と思ったの。なんだかアソコの根本あたりが苦しいって。でも構わず、しゅっしゅっとしてたらすぐに、そう、プナンの言葉で言えば、mesit be apeしたの。私は焦ったわ。でもひどく納得したの。ああ、これが保健で習ったmesit be apeか、ってね。
中学3年生の冬かなあ。そう、私をよく見ていると分かると思うけど、私ってそういうところはてんで保守的なのよ。恥ずかしガール。ふふ、スケットダンスっていう漫画知ってる?

 

みんな、だいたい私のいいたいことが分かったかな。そう、はじめて何かをする時ってわけが分からないまま終わることが多いの。でも、だからこそチャレンジしなきゃっていう。言葉にしてしまうと、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」くらいの常套句なんだけどね。ふふ、私もまだまだ若いのよ。当たり前のことを一つずつ確かめていく、それはとっても大切なことだと私は思うなあ。

M

 

永遠について

我々は、1つ、永遠というものについて宣誓をしよう。

1つ、宣誓をする。

一つの宣誓は、ある人にとってはブラックホールであり、ある人にとっては真空であろう。

前提は宣誓にとってもっとも不可欠であり不毛な事柄だ。それはこの文章を読む全員が、、、そうだ、全員が分かっていると考えて宣誓をしよう。

 

我々は、恒久的に損なわれず、そして手にすることができない輝きをまとって存在している。

今、根津の駅で隣に座る女がセックスをせがんでうずくまった。

でもそれは欺瞞だ。

我々は、恒久的に損なわれず、それでいて二度と手に入れられぬ輝きをまとっている…。

 

我々は、そう、我々は、あらゆる哲学者や文学家、すなわち、口に糊をする人間たちを信用しない。

私の宣誓が失効するその瞬間に、我々の宣誓は意味をなすだろう。

我々は不可侵の瞬間を永遠に生きている。そしてこの場に残るのは…痕跡にすぎない。

 

百億年後の人類に祈る。

我々の思想を読み取りたまえ。

それこそが我々の痕跡なのだ。

 

千代田線。誰しもがスマートフォンをいじる車両のなかで。

 

S

 

青春の墓場、あるいは楽園

隅田川のほとりにひっそりと佇む青春荘。

青春荘には夜な夜な多くの大学生が集まり、酒を飲み交わしつつ己が詭弁を垂れ流す。

時には共感し、時には殴り合いながら。

青春荘では何人も裸にならずにはいられないのだ。

 

ここは青春荘に打ち立てられた哲学の墓場、あるいは楽園。

青春荘の住民とそれに関わる人々の生きた証がただひたすらに記録されている。

 

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